事業計画(16)総括

こんにちは。わこうです。


4月12日に地元自治体の制度融資で創業融資を受けることができました。


事業計画を作り始めたのが昨年12月上旬のことでしたので、約4ヶ月の道程でした。


途中で日本政策金融公庫と迷ったり、手待ち期間があったりと、もう少しうまく段取りが出来ていれば、もうちょっと短期間で済んだかもしれません。


それでも、手探りで考えたり悩んだりしたことは、これから幾度もぶつかるであろう壁に立ち向かう時の助けになると感じています。


その時々のことは概ねブログとして書いてきたので、過去記事をご覧いただければと思います。


今回は一応の決着を見た後の振り返りをしようと思います。



ー事業の概要と理念

基本スタンスの部分になるので、設定当初とあまり変化はありませんでした。ただ、視点をどこに持っていくかという点で少し表現を変えました。


融資に関してはあまり直接的には話題になりませんでしたが、これから書く個別の内容にはそれぞれ影響していると思います。



ー事業環境とサービス体系

当初、事業環境やサービス体系について細かく設定し過ぎた感がありました。あまりメニューを細かくしても読んでもらえないですし、わかりにくかったと思います。いろんな方とお話をしていくうちに、平易なわかりやすい言葉でメリットをアピールする組み立てに変更しました。


また、料金体系もシンプルにしました。工数や難易度のバランス、料金の積み上げなどは自分の中でだけ把握して、提示する料金までごちゃつかせないようにしました。


融資に関連しては、実務経験が10年程度ある点や個人かつ自宅開業でも展開可能なサービスを考えている点などをお話させてもらいました。また、最近の働き方改革などのトレンドが業界的に追い風になっている点などもお話しました。



ーターゲットとパートナー

規模は当初から小規模事業所がメインターゲットになります。地理的な要素で言えば、近隣と遠隔地の両面対応で準備しています。


近隣は数少ないコネクションを何とか活かしつつ、紹介をいただけるように営業を準備しています。遠隔地はWEBで完結できるサービスを別途用意します。


WEB集客は友人の会社に依頼をしていて、ここで作成したコンテンツを他の媒体にも展開したいと考えています。


信金さんや信用保証協会さんにも同様の説明をしました。



ー売上計画とリスク分析

売上計画は当初から弱気過ぎだったと思います。なにせお客さんを引っ張ってきていないので、徒手空拳で数字を作らなければなりませんでした。根拠もへったくれもありません。なんども手直ししました。相談をするたびに数字を修正していたと思います。途中で料金体系も変えたりしましたので、その中で工数とのバランスを加味して現在の数字にたどり着きました。


基本的には想定クライアントを1〜9名、10〜19名、20〜49名の規模に分け、それぞれの中間人数で標準的な料金を算出しました。そこに獲得想定クライアント数を乗じて売上金額としました。スポットはあまり考慮せずに年間で数件程度獲得する見込みにしました。


融資の面談では、開業当初は売り上げが立たず、徐々に仕事が増えていくことを説明しました。そのうえで、約6ヶ月で単月黒字化できる売り上げ計画に落ち着きました。個人事業主なので、自分の報酬は含まれていません。ですので損益分岐点は非常に低い設定になっています。


リスクについては現状でクライアントの見込みが無い事でしたが、上記の営業やWEB集客の話をしていたので、あまり突っ込んだ話にはなりませんでした。



ー損益計算書とキャッシュ・フロー計算書

ここはかなり力を入れて作成しました。まずは前述の売上計画から売上をリンクさせ、3年分の月次損益計算書の売上部分を作りました。もちろん、売上計画も月次で3年分作っています。同様にキャッシュ・フロー計算書も月次で3年分作成しました。売上は翌月回収、経費はほとんど当月支払のサイトです。


経費は人件費(事務員として妻を青色専従者にしています)、原価(給与計算&電子申請のソフトウェア使用料など)、その他経費(販促費としてウェブサイト関連費用など、チャットやWEB会議、クラウドサービスなどの利用料、携帯や郵券代などの通信費や業務交通費、コワーキングスペースの使用料や面積按分の光熱費、事務用品や消耗品費、各種会費や手数料、損害保険料、図書研修費、会議費などなど)。


初期投資はパソコン、デスク、書庫などです。資産計上はパソコンのみです。そのパソコンは自己資金から出しましたので、融資は全額運転資金で申請しました。


ネットで調べたところ、一般に設備資金は見積り必須で運転資金はあまり見積りは必要なさそうな感じでした。でも、運転資金でも金額が大きいものや年契約のサービスについては見積りや料金が確認できる資料を準備しました。給与計算&電子申請ソフト、チャットやクラウドサービス、WEBサイト構築、デスク&書庫、パソコン以外の周辺機器一式、最初に揃える事務用品一式などです。


なんとかキャッシュ・フローをマイナスにしないように、経費項目を何度も調整しました。


当初は赤字スタートなので、その間どうやって生活資金を捻出するかの説明も必要でした。自分の場合は貯金から出す自己資金を少なめに設定していて、その分を一定期間の生活資金として確保している旨を説明しました。



ー資金調達先

当初は日本政策金融公庫の創業融資を利用しようと考えていました。創業といえば公庫かなとイメージとして何となく思っていたからだと思います。


地元自治体の制度融資は時間がかかるという情報や思い込みもありました。地元金融機関と繋がりができるメリットはコネクションの少ない自分には魅力的でしたが、スタートアップのタイミングで融資に時間がかかるのは致命的だと考えていました。


それでも、実際に話を聞きに行って確認すると、その問題は杞憂に終わりました。特に最近は実行までの期間を短縮するような動きがあるようです。実際、申し込みから14営業日で融資実行になりました。


また、借入金額が少なかったことも関係しているかもしれません。創業融資の相場は500万円前後くらいと伺っていたので、それより小さな案件は金額をさらに減額する要素が少ないのかもしれません。


何事もネットの情報に振り回されず、ちゃんと自分で確認するべきと改めて思いました。


もちろん、上記のお話は自分の場合の一事例に過ぎませんので、融資の申し込みを検討されている方はそれぞれ申し込みを検討されている金融機関や信用保証協会にご確認ください。



ーこれから

せっかく作った計画書なので、これからも有効に使っていこうと思います。


理念やサービスなどは、記載内容を事務所案内に転用しました。WEBサイト作成にも基礎資料として使う予定です。


売上計画は売上目標として営業資料に転記しました。この数字としばらくはにらめっこです。


月次の損益計算書&キャッシュ・フロー計算書はそのまま予算にして、予算実績比較表になりました。




事業計画書のブログは今回で最後になります。


つまらないことで悩んだり、目にした情報で右往左往する頭の中の出来事ばかりだったかもしれません。そんな拙い文章を今まで読んでいただいてありがとうございました。


引き続き、開業準備のブログでは実際の事務所開設の準備を記録していきたいと思います。よろしくお願いします。

日々是学日

転職を繰り返してきた元会社員が47歳で社労士に。事務所の開業に向けて日々思うことを綴ります。ときどき家族やミニチュアダックスとの日常も。

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